FAQ - 工場用置換換気

建物

どのような工場に置換換気空調は適していますか?
ある程度の機械熱負荷があり、冷房期間が長い工場が置換換気空調のメリットを最も活かすことができ、適していると言えます。
逆に不向きな工場はどのような工場でしょうか?
開口部が大きく外気などの外乱が流入しやすい工場は温度成層の形成が保てず不向きです。また、高さ方向の上下温度差を嫌う工場は置換換気空調では混合空調よりも上下温度差が大きくなり不向きです。

空調方式

混合空調方式とどのような点が異なるでしょうか?
混合空調が室内全体を均一に混合させるのに対して、置換換気空調は室内よりも低温かつ低速の気流を吹き出すことで、室内空気を誘引せず居住域のみ吹出気流を満たします。
置換換気空調のメリットは何でしょうか?
・室内空気を誘因しない為、居住域に高い空気質を確保できます。
・居住域のみを空調し天井から熱だまりを排気する為、省エネルギー・省コストを達成できます。
・低速で吹き出す為、人に優しい空間を生み出せます。
逆に置換換気空調が苦手とすることは何でしょうか?
暖房が苦手です。低速で吹き出すがゆえに吹出気流が上昇しやすく効率が悪いです。弊社吹出口の一部では吹出角度を変える仕様があります。吹出角度を変えることで暖房でも居住域にできるだけ到達できるように吹出しますが、限度があります。

設計時

給気温度はどの程度でしょうか?
推奨で最低18℃、最高32℃としております。これよりも下回るとドラフトの発生可能性が大きくなり、上回ると暖気が居住域により届きにくくなります。吹出口によっても異なりますのでお問い合わせ下さい。
置換換気吹出口のレイアウトはどのようにすればよいでしょうか?
熱負荷に偏りが無ければ等間隔に配置することができます。熱負荷が集中しかつ人が常時滞在するエリアには周囲に吹出口を多めに配置することを推奨します。置換換気空調では冷気は障害物があっても、気流がある程度回り込むができます。しかし、生産機械などによって完全に気流が遮断されてしまうとそれを超えることはできません。また、暖房気流は障害物に当たると気流が上昇し始めます。よって障害物となりうる生産機器と吹出口の配置関係を配慮する必要があります。
どんな条件でも工場内の汚染物質が効率的に除去できるのでしょうか?
排出される汚染物質の種類を把握し、それに対応した設計でないと必ずしも効率的な除去にならない可能性があります。置換換気空調は一般的には室内熱源の上昇気流を利用し天井で排気する考えの為、気流の流れる方向が工場全体では床から天井つまり下から上にゆっくりと流れます。空気と同等もしくはそれより軽い汚染物質であればこの上昇気流に乗せて除去が可能です。しかし、空気よりも重い物質の場合、上から下へ流れる置換換気空調を用いる、一定量の排気を床からとるなどの対応が必要です。

施工時

吹出口が結露する可能性はあるでしょうか?
生外気が流入する近くに設置する吹出口は露点に達すると結露する可能性が高いです。対策としてパンチングになっている吹出口面以外に断熱材を貼付する、冷房を切った後もしばらく送風するなどがあります。また、吹出口でも結露水受けとしてドレンパンをオプションに持った仕様がありますのでお問い合わせ下さい。
サイズ・個数の選定で留意する事は何でしょうか?
工場用置換換気吹出口は一般用と比較して風速が速く大きな風量で吹き出すことができ
ますが、混合空調用の吹出口よりは風速が遅いため、同風量であっても吹出口のサイズが大きいと感じられるケースがあります。実際に配置可能か検討が必要です。また、工場の設置を前提としている為、騒音値が標準レンジで50~70dB(A)程度と大きめです。