2025年04月09日公開
「うだつが上がらない」という言葉を耳にしたことはありますか?
実はこの言葉、江戸時代の建築用語から来ているのです。
うだつとは、関西発祥の日本家屋に見られる設備です。うだつは防火設備と説明されることが多いですが、始まりは中世から近世にかけて日本家屋の屋根が風であおられないようにおさえる目的で作られました。これが江戸時代になると、隣家からの火が自分の家に燃え移らないようにするための防火目的として利用されるようになりました。
しかし、うだつを上げるには相当な費用がかかりました。そのため、裕福な家しかうだつを設置できず、「うだつが上がらない」という表現が、なかなか成功しない人や、ぱっとしない状態を指すようになったのです
さらに興味深いのは、うだつがただの防火壁から、どんどん豪華な装飾が施されるようになったことです。隣の家よりも立派なうだつを上げることで、財力を誇示する競争が始まりました。まるで「うちのうだつ、見てみて!すごいでしょ!」と自慢するかのようです。
出典:うだつの町並み-【美馬市】観光サイト
https://www.city.mima.lg.jp/kanko/map/list/11506.html
現代においても、うだつのある町並みは岐阜県美濃市や徳島県美馬市などで見ることができます。歴史を感じながら、ちょっとした建築の豆知識を楽しんでみてはいかがでしょうか。
出典:うだつの町並み-【美馬市】観光サイト
https://www.city.mima.lg.jp/kanko/map/list/11506.html
このように、うだつの歴史を知ることで、現代のビジネスにも通じる教訓を得ることができます。うだつのように、見えにくい部分にこだわり他者との差別化を図ることに価値が見いだされます。
当社は、バリアフリー仕上げを含む多様な取付方法と高い意匠性を誇る床吹出口を取り扱っております。その中でも、1987年以来ドイツから20万個以上の納入実績を持つ、床空調用吹出口の代名詞であるクランツ床吹出口をご提供しております。
うだつ同様、古い歴史をもつクランツ床吹出口は、設計の自由度が高く、さまざまなデザインに適応できます。
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