第1回:withコロナ時代の空調・換気

2020年11月10日公開

エアロゾル(マイクロ飛沫)と換気

新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっています。当初、感染は接触感染、飛沫感染で起こるとされていましたが、ここに来て「エアロゾル(マイクロ飛沫)」による感染の可能性が話題になっています。エアロゾルとは5ミクロン以下の微小な飛沫で、それより大きな飛沫のように重力で落下せず、一定時間空気中を浮遊します。

距離を取ることやマスクをすることだけでエアロゾル感染を防止することは困難であり、「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」¹⁾に提言されている通り、「いかに換気を良くするか」が感染防止の焦点であることは間違いありません。

エアロゾル(マイクロ飛沫)とその拡散

一般的な天井や壁付けのエアコンは室内空気を吸い込んで暖めて・冷やして吹出しているだけで、その気流のスピードは皆さんが体感されている通り、速い風速です。また個別エアコンではないダクト方式での天井吹出口でも状況は同じです。室内に新型コロナウイルスのエアロゾルがあれば、速い吹出風速ではエアロゾルを拡散することになってしまいます。だからこそ「窓を開けて換気を」と提唱されているわけですが、事務所や飲食店が入居している最近のビルは冷暖房効率を上げるため密閉性を上げており、窓が開かないケースも多々あります。

換気効率の高い吹出方式

実は空調空気を吹出す方式には「天井から空気を勢いよく吹き出す」方式以外に、「床から空気を吹き出す」方式や「空気を低風速で吹き出す」方式があります。床から吹き出す方式は「床吹出方式」、空気を低速で吹き出す方式は「置換換気方式」と呼ばれており、従来の天井からの吹出方式に比べて、人が呼吸する領域(床高さ1.7mまで、居住域と呼ぶ)の換気の効率が非常に高いことがわかっています。

 

 

今後、このコラムにおいて床吹出方式置換換気方式の換気における優位点を説明し、withコロナ時代の空調・換気の設備計画・設計のお役に立てれば幸いです。

 

1)「日本医師会 COVID-19有識者会議:新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」 

https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1729