第12回:工場用置換換気システム

2022年07月15日公開

置換換気方式の工場への適用

置換換気方式は天井高が高く、かつ居住域の汚染物質の排除が重要である空間ほどメリットが大きくなりますが、工場はまさにそのような空間です。一般的に工場室内には生産機械や作業者のような発熱源があり、それによって上昇気流が起きています。

置換換気方式では図1の通りこの自然の上昇気流を利用して工場上部は熱だまりとして、居住域のみターゲットに空調することで省エネルギー、省コストを計ることができます。また、空気より軽い汚染物質を上昇気流に乗せることで効率的に居住域から除去し居住域に高い空気質を確保できます。

実際に置換換気方式を採用した場合に従来の乱流混合方式と比べてどの程度空調・換気に関わるエネルギーを減らすことが出来るのだろうか。また、どの程度の汚染物質除去が期待できるでしょうか。これらは工場の設計条件にも因ることが大きく弊社にお問い合わせ頂けないでしょうか。

吹出口の重要性

置換換気方式を検討するにあたって吹出口の選定が重要になります。従来の乱流混合用の空調吹出口(アネモ、ノズル、ブリーズラインなど)はそのどれもが室内空気を大きく誘引し、混合してしまう為、置換換気空調に用いることができません。また、ダクトを通ってくる高速気流を置換換気に適する柔らかい低風速の気流に変換して均等に吹き出すには独特の構造が必要です。

本来は吹出口は床上に設置できれば最も省エネまたは換気効率が良いです。しかし、劇場や一般ビルと異なり工場ではドークリフトの通行スペースや生産機械の設置スペースが床に必要になり、床上に設置できないことも多いです。そこで、床上3m程度に設置することが多く、そういった場合でも問題無い気流性状を持っていることも重要である為、工場専用の置換換気吹出口が必要です。

弊社の工場用置換換気吹出口VA-ZDの気流性状を図2に示すが、床上3m設置でも柔らかく均一な低風速で吹き出すのみならず、ダンパー切替により冷房・暖房の両方で気流方向を変えることによりフレキシブルでより快適な空調を実現できる仕組みになっています。製品詳細は下記リンクをご覧下さい。

検討時の注意点

置換換気空調を検討する際の注意点を記します。

・開口部が大きく、常に外気が吹き込んでくるような工場には不適です。

・暖房負荷が冷房負荷暖房よりも大きい工場では省エネ効果は小さくなります。暖房にも適用できる吹出口はありますが、置換換気空調を導入するメリットは小さくなります。

・吹出温度が極端に低いもしくは高い場合は注意と対策が必要です。冷房時に吹出温度が低い場合、外気流入などによって吹出口が結露する可能性があります。暖房時に吹出温度が高い場合、吹出気流が居住域の空気と十分に混合されず上昇してしまう可能性があります。