2025年02月19日公開
かつて、木材は鉄骨やRC造と比較して構造的強度が劣り、そのため価値が低いと見なされていました。しかし近年、海外では「 Ascent(America)」 や 「Hoho wien (Austria) 」などの木造の高層建築物の建設が進展し、木材の利用が顕著に増加しています。(写真1)
国内では、東大寺や法隆寺といった古くからの木造建築物が現存しており、その価値が再認識されています。また、「Port Plus」(2022年竣工)や「浅草文化観光センター」(2012年竣工)をはじめ、現代においても木材を利用した建物が建設されています。
写真1: HoHo wien
出典: https://www.hoho-wien.at/
2010年に制定され、2021年に改正された「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」により、民間建築物でも木材の利用が広がりました。それに伴い、木造化や木質化された建築が増加しています。木造化は、建物の柱や梁などの構造部分に木材を使用することを意味し、建物全体が木材で支えられる構造になります。一方、木質化は建物の内装や外装に木材を使用することであり、建物の構造部分には鉄筋コンクリートや鉄骨を使用しながら、仕上げ材として木材を取り入れることです。これにより、空間に木材の温もりや自然の美しさを加えることができます。
また、Wood Carbon LabelやJapan Wood Labelなどの認証マークにより、木製品や建物の炭素貯蔵量の可視化がされています。
図1:Wood Carbon Label、Japan Wood Label
出典:attach_file2_20241001da1011231fd1f30f3713b097b7d1394a89958682.pdf
木材には心理的、身体的、衛生的な観点から有効であり、生産性の向上や社会貢献にも寄与します。木材は細胞の集合体であり、熱伝導率が低い空気を含むため、優れた断熱効果を有しています。
また、木材の利用には脱炭素化への貢献が考えられます。木材は鉄やコンクリートと比較して再生可能な資源であり、二酸化炭素を吸収し、室内の空気環境を清浄化して二酸化炭素の排出量を削減する効果があります。このように、木材の利用は環境保護および持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を担っています。
当社は木材を利用した建物へ製品を多数納入しております。床下空調を採用することで、内装や天井に木材をふんだんに使用でき、建物の意匠と快適性を兼ね備えることができます。
丸型床吹出口では、床の木材と調和させるために、180色以上の色から選び、練り込み着色による対応を実施しています。納入実績については、こちらをご参照ください。
林野庁,脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/
林野庁,木材利用の意義等を表すロゴマークの使用及び管理に関する規程
attach_file2_20241001da1011231fd1f30f3713b097b7d1394a89958682.pdf
和歌山県,木材の特性
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/070600/kisyuzai/mokuzai_tokusei.html
建物の内装木質化のすすめ「内装木質化した建物事例とその効果」(令和3年度), 公益財団法人日本住宅・木材技術センター