空調と換気

2020.12.25 すべて / 空調と換気
第5回:コロナ時代の換気対策(2)
さて、CO₂モニターなどを使って、その空間が人の排出するエアロゾル(新型コロナウィルス患者の場合はウイルスを含んでいる可能性がある)が多い、とわかったとしましょう。その場合、どうすれば適切に換気を行うことができるのでしょうか? よく扉を開ければ良い、と言われますが扉一箇所を開ければ十分な換気が行えるかと言うと、不十分な場合が多いと考えられます。   こちらのNHKの実験動画はTVで紹介されたのでご覧になった方も多いと思いますが、部屋の2ヶ所を開けること、1ヶ所しか開けられない場合は扇風機やサーキュレータを使って換気を促進することが有効であることが示されています。 NHK特設サイト 新型コロナウイルスより「より効果的な換気方法とは」  https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/special-program_0617/   とはいえ、どこから換気するとしても、室内の人は換気の途中で運ばれてゆくエアロゾルに暴露される危険は常にはらんでいます。 ではどういった対策がエアロゾルに対してもっとも効果的でしょうか?   一つの答えは「局所排気」を行うことです。 局所排気は新しいアイデアではなく有害物質(化学物質や煙、油煙など)が発生する工場などで広く行われている方式です。 身近なところではキッチンにあるレンジフードや焼肉店の煙除去フードも局所排気です。 つまり発生している有害物質が室内空間に広がる前に吸い込んで排気してしまおうという考え方ですね。 飲食店などで各テーブルの上に小型のフードをつけて排気すれば、エアロゾル感染の危険性を減らすことができると我々は考えています。 局所排気装置(イメージ) 局所排気 シミュレーション例

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2020.12.25 すべて / 空調と換気
第4回:コロナ時代の換気対策(1)
さて、このコラムですが、吹出し方式についての説明は一旦お休みして 新型コロナウィルスのエアロゾル感染を極力防ぐための換気の目安について考えてみたいと思います。

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2020.11.10 すべて / 空調と換気
第1回:withコロナ時代の空調・換気
新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっています。当初、感染は接触感染、飛沫感染で起こるとされていましたが、ここに来て「エアロゾル(マイクロ飛沫)」による感染の可能性が話題になっています。エアロゾルとは5ミクロン以下の微小な飛沫で、それより大きな飛沫のように重力で落下せず、一定時間空気中を浮遊します。 距離を取ることやマスクをすることだけでエアロゾル感染を防止することは困難であり、「新型コロナウイルス感染症制御における「換気」に関して」¹⁾に提言されている通り、「いかに換気を良くするか」が感染防止の焦点であることは間違いありません。

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